忙しい社会人は急な出費やイベントが重なると、生活に便利なクレジットカードや消費者金融を利用するシーンも多くなるでしょう。反面、借入額が膨らむと返済に苦しむことになります。
- 返済が遅れてしまったらどうなるの?
- 返済期日を無視し続けるとどうなるの?
- もし返済できなくなったら?
上記のように、返済に困った場合どうなるのでしょうか。
この記事では、借金を滞納する6つのリスクと対処法を時間経過別に解説します。滞納リスク以外のデメリットや借金返済の延長についても触れています。
消費者金融で借金を滞納する6つのリスクと対処法【滞納期間別】
消費者金融で借金を滞納するリスクはどんなものがあるのでしょうか。借金返済に困った時の対処法もあわせて解説していきます。
返済日の翌日から年利20%の遅延損害金が発生する【翌日から】
消費者金融では、返済日を1日過ぎた時点で遅延損害金がかかります。遅延損害金とは返済日に入金しなかった場合のペナルティ。返済が遅れると、通常利息(3.0%〜18.0%)のほかに損害遅延金(20.0%)を上乗せして請求されるので、借金総額がますます膨れ上がります。
消費者金融の代表である、アコム・プロミス・レイク・アイフルを1ヶ月(30日間)利用した場合、通常利息と損害遅延金がいくらになるか見ていきましょう。
具体例
アコム(1ヶ月滞納したときの通常利息と損害遅延金)
10万円借入・年率18%・1ヶ月(30日間)利用した場合
「10万円×18.0%÷365日×30日=1,479円」(通常利息)
「10万円×20.0%÷365日×30日=1,643円」(損害遅延金)
プロミス(1ヶ月滞納したときの通常利息と損害遅延金)
10万円借入・年率17.8%・1ヶ月(30日間)利用した場合
「10万円×17.8%÷365日×30日=1,463円」(通常利息)
「10万円×20.0%÷365日×30日=1,643円」(損害遅延金)
レイク(1ヶ月滞納したときの通常利息と損害遅延金)
10万円借入・年率18.0%・1ヶ月(30日間)利用した場合
「10万円×18.0%÷365日×30日=1,479円」(通常利息)
「10万円×20.0%÷365日×30日=1,643円」(損害遅延金)
アイフル(1ヶ月滞納したときの通常利息と損害遅延金)
10万円借入・年率18.0%・1ヶ月(30日間)利用した場合
「10万円×18.0%÷365日×30日=1,479円」(通常利息)
「10万円×20.0%÷365日×30日=1,643円」(損害遅延金)
金利は借入額や契約者の信用状況により設定され、消費者金融の年率は3.0〜18.0%が一般的です。例えば、借入金額が大きく返済能力が高ければ低い金利、返済能力が低ければ高い金利が適用されるのは、信用度に応じて金利が変動するため。消費者金融は個人を顧客とするので、信用度が低くなる傾向から金利は高くなります。
上記の例では10万円と仮定しましたが、借入金が50万円100万円となれば、通常利息と損害遅延金は雪だるま式に増えると容易に想像できます。
支払期日まで返済できないと判断したら、消費者金融へ早急に連絡することをおすすめします。お金を貸す側は連絡もなく返済を放置されると、いつ入金してくれるか不安になりますよね。消費者金融は返済する意思を確認したいので、最低限「いつまで返済できるのか」を連絡しましょう。
返済確認メール・電話・督促状が来る【返済日から数日~1週間】
返済が遅れると、最初は電話で「入金の確認ができませんが、いつ入金予定ですか?」と確認の連絡が来ます。単に支払いを忘れていたなら「当日中に入金します」と言えば問題ありません。電話に出なかったり、無視し続けると郵便で督促状(注1)が届きます。
督促状が郵送されると家族や会社の人に「借金がある」ことがバレてしまいます。「借金が悪」とは言いませんが、日本では借金自体良いイメージがありません。
- お金にだらしない人
- 浪費ぐせがある人
- 計画性のない人
上記のように良くない印象がもたれ、家庭や会社での自分の立場が悪くなる可能性も。また、本人との連絡が取れずにいると、職場に連絡された場合「お金のトラブルがあったのか」と無用な疑いをもたれかねません。
「連絡が面倒」「忘れていた」と自分勝手な判断はせず、滞納期間が経過しないうちに「いつまで支払うか」を意思表示するのが賢明です。
自分から支払う意思を伝えれば「返済日の変更」「分割払い」などの相談にも対応してもらいやすくなります。返済が難しいことを素直に伝えて解決を目指しましょう。
利用停止になり新たに借り入れができなくなる【早ければ翌日から数日】
消費者金融は、「貸したお金に利息をつける」商売です。「返済してくれない人」にお金を貸すメリットはありませんから、早ければ翌日から数日中に「利用停止」となる恐れがあります。利用停止になる目安はありませんが、滞納を何度もすると「返済する気がない」と判断され、一旦利用停止処分をするのです。
カードの利用ができなくなっても、滞納した金額を支払えば解除されるので深刻な問題に発展はしません。しかし、利用停止はブラックリストの一歩手前になるので、不用品を売る・親や友人に頼み込んでお金を借りる・短期バイト・副業をするなど、滞納額の返済に専念してください。
信用情報で事故扱いにされる【2ヶ月以上返済を滞納】
返済が2ヶ月ほど続くと強制解約(注2)され、信用情報機関(注3)に「借金を長期で滞納している人」と登録されます。信用情報機関でブラックリストに載ると「お金に関する信用がない人」と判断され、以後お金の借り入れができません。
信用情報に傷がつくと消費者金融はもちろん、銀行での借り入れ・自動車ローン・クレジットカードの申し込み・スマホ端末の分割購入などができなくなります。
社会人となれば簡単に消費者金融を利用できますが、お金の管理をしっかりしなければ普段の生活を一変させます。
計画性のない借り入れで後悔するのは自分自身。カードローンを利用する際は、借入額を必要最低限と決めておきましょう。
保証会社から一括返済を請求される【2~3ヶ月滞納】
「お金を借りた人」が返済できないとき、連帯保証人の代わりに「保証会社」を利用するケースがあります。消費者金融は「お金を貸す仕事」なので、いつまでも返済しない人に時間をかけたくはありません。回収がむずかしい場合、消費者金融は債権回収会社に代位弁済(注4)することが多いです。
代位弁済により「お金を借りた人」は、消費者金融から「保証会社」へお金の返済先が変わります。保証会社は、借金回収が専門です。「自分の代わりに借金を払ってくれたから安心」と考えるのは大きな間違いで、保証会社は法律の範囲内で返済を求めてきます。
保証会社は、基本的に「借金の一括払い」を請求します。一括払いを請求される人は、借金返済に困窮していると容易に判断できますので、支払い請求に対応できない場合がほとんどでしょう。返済を2ヶ月以上滞納しているので、借金総額は、通常利息や損害遅延金が上乗せされた金額で請求されます。
逆に2ヶ月以上支払いを滞納する利用者にも非があるのは事実。一括請求される前に、電話やはがきで支払いの催促があるはずです。一括請求で事態が悪化しているため、家族・親せき・兄弟に頼み込んで、お金を借りてでも一括で支払ってしまうほかありません。
一括返済ができなければ、アクセサリーや時計、自動車を売却し返済に充てることも覚悟しておきましょう。一括請求されないために催促の電話やメールに真摯に対応し、返済期日に支払う習慣をつけるのが、「お金を借りる側」の最低限のマナーです。
簡易裁判所から通知が届く(法的措置)【3ヶ月以上返済を滞納】
3ヶ月以上返済を滞納すると、「財産の差し押さえ」の恐れがあります。裁判所が発行する金銭支払いを命じる書面「支払督促」が送られ、2週間放置すると、借金滞納者に給料・財産の差し押さえができる権利「仮執行宣言付き支払督促」が発行されます。
財産の差し押さえと言っても、財産のすべてが対象とはなりません。
- 差し押さえの対象となる財産→預金・給料の差押えです。
- 差し押さえの対象とならない財産→主に、国民年金・厚生年金・児童手当・生活保護費など。
以下、「給料の差し押さえ」(注5)の具体例を書きます。
手取り給料20万円の場合
差し押さえ金額は5万円(20万円×1/4)
手取り給料50万円の場合
差し押さえ金額は17万円(50万円−33万円)
「給料の差し押さえ」が発生すると勤務先に知られ、会社に居づらくなることでしょう。同時に、借金の元金・利息・損害遅延金を含めた合計金額が、完済するまで続くので精神的ストレスは計り知れません。
財産の差し押さえまで来ると、支払い能力がかなり低いと考えられます。最悪返済できないときは債務整理を検討しましょう。債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産があり、弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。
- 任意整理
借入先と直接交渉し返済条件を見直す手続きです。利息がカットされ元金のみの返済になるので、返済し続ければ借金が確実に減ります。一方で任意整理すると、信用機関に事故情報が登録されるため、借金ができません。例えば、クレジットカードの新規発行・住宅ローン・自動車ローンなどが組めないなど。ただし、事故情報に登録されるのは5年間といわれています。 - 個人再生
債務者が再生案を借入先に提出し、裁判所が認可する手続きです。裁判所が認めると借金総額の約80%を減額できます。返済額が大幅に減るので将来の返済が楽になりますが、個人再生すると、事故情報が登録されるので5〜7年は分割払いができません。ショッピングで返済中のものは回収される可能性も。保証人がいる場合、借金を肩代わりさせることになります。 - 自己破産
支払いに充てる財産がないことを裁判所に認めてもらい、借金を免除する手続きです。自己破産すると、個人再生と同様に5〜7年事故情報が登録され、保証人がいる場合には借金を負わせてしまいます。また、士業や警備員など他人の財産や機密事項に関わる仕事に就けません。住宅や価値のある宝石などは処分の対象になります。
債務整理は借金を減らせますが、生活に与える影響も少なくありません。自己判断で決めず、弁護士に相談して最善の方法を考えましょう。
借金を滞納するデメリット
借金の返済に滞ると、どのようなデメリットがあるのでしょうか?滞納リスクとは違う観点からみていきましょう。
賃貸契約できない場合がある
借金を長期滞納すると入居審査で落とされる可能性があります。大家さんは、年収・勤続歴・雇用形態などで「支払い能力」があるかないかを確認し、家賃の滞納を避けたいのです。賃貸では支払い能力の有無が重要で、借金自体が原因ではありません。返済が遅れなければ問題ありませんが、滞納期間が2ヶ月以上あり「事故情報」が確認されると審査に通らない可能性があります。
保証人になれない
保証人となる人は、借金をした人のかわりに返済できる「安定した収入」「十分な貯金」があるかを見られます。例えば、学生が教育ローンを申し込む場合や返済能力が不確定な時は、保証人を求める場面があるでしょう。多額の借金で返済を滞納している人を保証人とするのは、「返済能力に欠ける人」と判断される可能性が大きいです。
消費者金融の支払いを待ってもらうことは可能か?
借金返済の意思があっても支払いが難しい時、消費者金融は待ってくれるのでしょうか?返済の猶予期間についてみていきましょう。
原則は待たないが事情により認められることがある
支払いが遅れそうなときは、消費者金融に連絡しましょう。遅れる理由と支払日を伝えれば対応してくれる場合が多いです。相手は善意で待ってくれるので、短期のバイトや不用品の売却などで早急に返済する行動を示しましょう。
支払う意思があっても2ヶ月以上待ってもらうのは難しい
2ヶ月以上滞納が続くと「信用情報にお金に関する信用がない人」として登録され、保証会社から借金の一括返済も考えられます。2ヶ月以上の滞納は法的にも信用上も大きなリスクを伴うので、支払いを待ってもらうのは極めて難しいと覚悟しましょう。急場しのぎの対応は一時的なもの。収入に見合った借入をし身の丈に合わない借金はしないことが肝要です。
消費者金融を上手に利用し返済に困らない生活を心がけよう
消費者金融は手軽にお金を借りられる便利なカードローン。借金をする理由は、生活費の補填・ショッピング・趣味・教育費・ギャンブルなど多岐にわたります。生活に必要なお金が簡単に手に入る分、収入を上回る借金は、のちに返済で困窮するのは明らかです。お金が足りなくなった時、「1ヶ月くらい返済が遅れても大丈夫だろう」と自分勝手な判断はやめましょう。
消費者金融は通常利息のほか、滞納すると損害遅延金が発生します。滞納が長期に渡ると取り立てが厳しく、カードローンの利用停止・信用機関に事故情報が登録・借金の一括返済・財産の差し押さえにまで発展しかねません。
消費者金融で借金を滞納するリスクは、思った以上に厳しいです。借金で信用を無くさないために、本当に必要な金額を考えて上手に利用していきましょう。